今日もスペイン語の慣用句を紹介。
食べ物を使った、面白い表現です。
どの言語でも食べ物を使った慣用句は多いですよね。
(棚からぼた餅:たなぼた、朝飯前、油を売る、などなど・・・)
スペイン語でも、この前紹介したSer pan comidoや、Ir al granoがあります。
今回の表現は、
“Ser del año de la pera“
というもの。
直訳の意味
直訳は、「梨の年齢である(?)」。
これは難解ですね・・・。
意味は分からなくても、スペインでも梨を食べるということはわかりますね(笑)
日本の梨とは少し違う洋梨ですが。
慣用句の意味
Ser del año de la peraの意味は・・・
「古い」、「時代遅れ」、「年配の方」などという意味です!
単語の意味
今回は長めの慣用句ですが、それぞれの単語は難しくないので、ひとつひとつ見ていきましょう。
- Serは英語の「be」動詞です。
- もうおなじみかもしれませんが、スペイン語は
「Ser」と「Estar」の二つのbe動詞があります。
使い分けはけっこう奥が深いのですが、簡単に言ってしまうと
Estarは変化する状態(いる場所、気分など)、
Serは変化しない状態(名前、人種など)を指すことが多いです。
- もうおなじみかもしれませんが、スペイン語は
- delは「de」と「el」がつながった単語です。
「de」は英語の「of」「from」と同じで、ここでは「of」「~の」という意味です。
「el」は英語の「the」と同じように使われる冠詞で、男性名詞の前で使います。
後の「año」は男性名詞なので「el」を使います。
文法的に「de el」と連続するときは「del」と変わります。
Ir al granoの「al」と同じです。
「de el」よりも「del」とつなげたほうが言いやすいですよね。 - Añoは、「年」「年齢」という意味。
発音は「ñ」があるので「アニョ」です。参考:スペイン語の読み方 - laは、上の「del」の中の「el」と対をなす冠詞。
英語の「the」と同じですが、女性名詞の前で使います。
後の「pera」は女性名詞なので「la」を使います。 - Peraは「梨」です。英語の「Pear」と似ていますよね。
例文
例文①:
Esa canción es del año de la pera.
→その歌はとても古い。
例文②:
No te pongas esa camisa. ¡Es del año de la pera!
→そのシャツを着ないほうがいいよ。とても時代遅れだ!
由来、語源
この表現はスペイン語圏でよく使われていますが、由来ははっきりとわかっていないようです。
なぜ「りんごの年」などではなく「梨の年」なのか?
一説によると、元々は“del año de la polca”と言っていたのが変化したのが由来と言われています。
Polca=ポルカは、聞いたことがある方もいると思いますが、チェコのボヘミア地方のダンスです。
1830~1840年ごろにヨーロッパで大流行し、スペインにも広まっていました。
その後、はやりが廃れると、古いものに対して
“del año de la polca”=「ポルカの時代のものだ」
と言うようになり、それがなまって“del año de la pera”となったと言われています。
参考ページ(英語/スペイン語)
https://www.happylanguages.co.uk/ser-del-ano-de-la-pera-in-spanish/
http://www.cuandoerachamo.com/el-ano-de-la-pera
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