スペイン語の慣用句
“Estar frito“
という表現を紹介します。
たった2単語という、慣用句としては最もシンプル(?)な構成でしょうか。
直訳の意味
文字通りの意味は、「フライにされている(揚げられている)」という感じです。
日本語では使わないですが、英語では同じような表現がありますね。
単語の意味
Estarは、英語の「be」動詞です。
※ スペイン語は「Ser」と「Estar」の二つのbe動詞があります。
使い分けはけっこう奥が深いのですが、簡単に言ってしまうと
Estarは変化する状態(いる場所、気分など)、
Serは変化しない状態(名前、人種など)を指すことが多いです。
Fritoは、動詞「freír:揚げる」が変化した形で、「揚がった」「揚げられた」という意味です。
つまり直訳すると「Estar frito」で「揚げられた状態」となります。
慣用句の意味
では、Estar fritoはどういう意味なのか?
これはいくつかの意味があり、
①「窮地に立たされる、絶望的」
②「飽きてしまう」
③「寝てしまう」
④「うんざりする」
という意味で使う表現です。
使い分けですが、②と③に関しては、
②の意味では、「aburrimiento:飽きること」を足して、
Estoy frito de aburrimiento.
③の意味では、「Quedarse:残る、留まる、他」という動詞を使い、
Quedarse frito.
と使うことが多いです。
ただ、そのまま使って①~④どれかを意味することもあるので、
その時は文脈で判断するしかないですね。
例文
例文:①の意味
Llegaré tarde a la entrevista por el tráfico. ¡Estoy frito!
→渋滞で面接に遅れてしまう。もう絶望的だ!
例文:②の意味
No me gusta esta película. Estoy frito de aburrimiento.
→この映画は僕の好みではない。飽きてしまった。
例文:③の意味
Anoche me acosté y me quedé frito.
→昨晩は横になったら寝てしまった。
例文:④の意味
Otra vez mis compañeros del cuarto no han limpiado el baño. Ya estoy frito de vivir con ellos.
→またルームメイトたちはトイレを掃除していない。彼らと暮らすのはもううんざりだ。
由来、語源
由来は、なんとなくしかわからないのですが、揚げる(フライにする)と料理が仕上がるということで
「動かなくなる」「終わる」というような意味を持たせるためと思われます。
料理の意味を人に使うのは、日本語ではあまりないかな、と思うのですが
欧米の言語ではよくあるのかもしれません。
英語でも、今回の慣用句と全く同じ
「I’m fried」という表現で、
「とても疲れている」という意味で使います。
これは④番の意味と対応していますよね。
参考ページ(英語/スペイン語)
https://rioplatofonia.wordpress.com/tag/estar-frito/
https://spanishparaguiris.wordpress.com/2015/02/08/frito-quedarse-frito-estar-frito/
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