阿寒湖・摩周湖、マリモやオンネトーの秘密 (ブラタモリ #141)

2019年7月27日のブラタモリは、阿寒摩周国立公園。
前回の釧路湿原に引き続き、北海道東部の絶景が紹介されました。
今回のお題は「阿寒・摩周~”色”とりどりな宝の秘密とは?」。

有名な阿寒湖・摩周湖の他にも、アトサヌプリ火山、雌阿寒岳、オンネトーなど、あまり知られていない自然の神秘が紹介されました。

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色とりどりの宝No.1「摩周ブルー」

今回の舞台である阿寒摩周国立公園は約9万ヘクタールの敷地があり、その中には「阿寒湖」「屈斜路湖」「摩周湖」の3つの有名なカルデラ湖と4つの火山があります。

番組の開始は、摩周湖の絶景を眺める展望台から。

前回、釧路湿原の回の最後には、摩周湖に釧路湿原から80kmの距離を移動してきた霧が、
「霧の摩周湖」を作り出していることが紹介されていました。

今回は晴天の摩周湖。とても深い青色をしています。

まず最初の案内人は摩周湖観光協会の会長、中嶋康雄さん。

「なぜ摩周湖はこんなに青いのか、わかりますか?」とクイズ。
そこは、さすがタモリさん、「透明度ですよね」と回答します。

摩周湖の透明度は日本一です。

火山の噴火でカルデラ湖ができたのが7,000年前で、地質学的には若いカルデラ湖に分類されます。
そのため、外輪山(噴火口の周りの山)の形がきれいに残り、崖が切り立っています。
そのことで、雨水は大地の土や栄養を含まないまま、ほとんどそのまま湖に流れ込むのです。

さらに、摩周湖には流れ込んでくる川がありません。

外部から水や土砂が流入しないため、水が濁らない。
また、栄養分も流れ込まないので生物も繁殖しにくいのです。

このことで日本一の透明度を維持する摩周湖。

なぜ、透明度が高いと青色になるのかというと、日光をよく反射するからです。

濁っていると反射されずに澄んだ色になりません。
そして、日光が湖の中で反射されるときに、青以外の色が吸収されるために、摩周湖は深い青色となるのです。

この摩周ブルーに惹かれ、年間50万人もの観光客が摩周湖を訪れます。
人を呼び寄せる、神秘の宝なのですね。

さて、摩周湖の青色は有名ですが、今回のテーマは「色とりどりの宝」。
タモリさんも、「青以外にあるの?」と懐疑的ですが、実は阿寒・摩周エリアには他にも多くの神秘の宝があるのです。

色とりどりの宝No.2「黄色の硫黄」

次に向かったのは、摩周湖と屈斜路湖の中間地点にある火山「アトサヌプリ山」。

今も活発に活動するアトサヌプリには大小あわせて1,500以上の噴気孔があり、近くまで寄ることが出来ます。
至る所で熱い蒸気が噴き出す噴気孔には、黄色い硫黄の結晶があちこちに出来ていました。

これがアトサヌプリが「硫黄山」とも呼ばれる所以。

これが次の色とりどりの宝、「黄色の硫黄」です。

これは文字通り、かつてこの地域に富をもたらした宝だったのです。

硫黄は、火薬や肥料の原料として明治28年(1895年)頃に盛んに輸出されました。

タモリさんの大好きな線路跡も紹介され、かつては硫黄山から釧路港までを結んでいたのです。
この鉄道は、現在も釧路と網走を結ぶ釧網本線(せんもうほんせん)の基礎となります。

さらに、現在は漁業で有名な釧路港ですが、もともとは硫黄を本州に運ぶための港として整備されたものだったのです。

硫黄が、北海道東部の発展に大きな役割を果たしていたのです。

色とりどりの宝No.3「白いエゾイソツツジ」

次の宝は、硫黄山のすぐ近くの散策路。

一面に咲く、北海道固有の白いツツジである、「エゾイソツツジ」です。

エゾイソツツジは、本来数千メートル級の山に生息する高山植物です。

しかし、この場所は標高わずか150メートル程度。

ここにエゾイソツツジが群生している秘密には、硫黄が関わっているのです。

硫黄山、アトサヌプリがすぐ近くに見えるこの場所には、硫黄成分が風で流れてきます。
そのことで、硫黄に耐性のない高い木が枯れてしまうのです。
近くの山も、硫黄山に面している側は低い草木しかなく、反対側には木が生えています。

高い木がないことで、エゾイソツツジのような低い植物でも太陽に当たることができます。
さらに、エゾイソツツジは硫黄への耐性を持つ植物であるため、ここに群生するようになったのです。

また、このエリアは屈斜路湖のカルデラ内にあたりますが、この巨大なカルデラができる前には数千メートル級の山があったと考えられます。
火山の噴火で山が崩れた際、頂上付近に生えていたエゾイソツツジの種が残ったのが、この低地の群生の始まりとも言われています。(これに関しては、諸説あるとのことでした)

色とりどりの宝No.4「緑のマリモ」

次の場所は、阿寒湖です。

阿寒湖と言えば、有名なのは「マリモ」。
次の案内人はマリモのスペシャリスト、釧路国際ウエットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室室長 若菜勇さんです。

湖付近の町は、お土産屋さんからお風呂屋さんまで、マリモを前面に押し出しています。

お土産としてマリモがたくさん売られていますが、これらは全て「養殖マリモ」です。
阿寒湖の天然のまりもは国の特別天然記念物なので、採取することが出来ません。

丸く大きなマリモができるのは世界で阿寒湖だけですが、
実は、植物の種としてはマリモも海外の藻と同じです。
お土産で売られる飼育セットのマリモは、実は海外の藻を丸めた養殖マリモだったのです。

なぜ、阿寒湖のマリモは世界で唯一丸く大きく成長するのか?

その秘密を探りに、一般の人は立ち入りできない、マリモの生育地である阿寒湖の北端、チュウルイ湾に向かいます。

チュウルイ湾には、天然のマリモが6億個。湖底に見える石ころのようなものは、実は全てマリモなのです。

このチュウルイ湾でのみマリモが生育するのは、複数の条件がそろっているからです。

まずは、広い浅瀬。
水深2メートル程度の浅瀬が湾全体に広がっていて、湖底に沈む藻へ日光が十分に届くことで、藻が生育するのです。

次に、ちょうど良い風と波。
チュウルイ湾は南に阿寒湖が広がっていて、その先の山がちょうど切れているため、南から風が常に吹き込みます。
それが波となりますが、入り江の優しい波となり、湖底のマリモをコロコロと転がすのです。
このことで丸い形でまんべんなく藻が成長していき、丸く大きく成長してゆくのです。

最大で直径30cm以上にもなるマリモですが、6cm程度になるのにも200年くらいかかると言われています。

雄大な自然が生んだ神秘なのですね。

タモリさんと林田アナは、マリモ研究のお手伝いということで、ICタグを埋め込んだマリモのタネを作っていました。
「たまりちゃん」と「まりんちゃん」と名付けられた2つのマリモは、阿寒湖に放たれて観察されるそうです。

色とりどりの宝No.5「黒いマンガン鉱石」

最後の宝は、タモリさんが「一番すごい」と言った、玄人向けの場所。

案内人は、足寄動物化石博物館館長 澤村寛さんです。

阿寒湖の近くのオンネトーという地域にやってきます。

この一体では、雌阿寒岳(めあかんだけ)の湧き水から鉄やアルミニウムなどの成分が溶け出し、エメラルドグリーンやオレンジの沼を見ることができます。

そして今回の宝は、「黒いオンネトーの滝」。

この滝が黒いのは、マンガン鉱物が作られているからです。

マンガン電池や、製鉄にも使われるマンガン鉱物ですが、ほとんどは深海で作られます。
地上でこの規模のマンガン鉱物が生成されているのは、なんと世界でここだけ。

この黒い滝ができたのも、複数の条件がそろったからです。

まず、この滝は温泉の湯が流れていて、火山から流れた「マンガンイオン」を含んでいます。

そして、滝には藻が生えていて、マンガンを酸化させる最近と、シアノバクテリアが住み着いています。

これらがマンガンを酸化させ、二酸化マンガン(マンガン鉱物)を生成しているのです。

これらの条件がそろったのは、この場所が「末端崖」であることが関係しています。

末端崖というのは、火山の噴火で溶岩が流れ出て、それが止まったところにできる段差です。

溶岩がたまたま温泉の場所で止まり、末端崖で横幅の広い滝となったことで藻が生育したのです。

このような偶然によって、世界で唯一陸上でマンガン鉱物が発生する場所として、数年前には国の天然記念物に指定されたそうです。

さらに、シアノバクテリアというのは生物が誕生する前の地球で初めて光合成で酸素を作ったバクテリアです。

原始の地球の営みが、今もここで起きているのだと、タモリさんも興奮していました。

まとめ

有名な摩周湖や阿寒湖のマリモだけでなく、地球の神秘をあちこちで見ることのできる阿寒摩周国立公園。

とても広いですから、一度ゆっくりと時間をとって見たい場所ですね。

 

 

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