今回もスペイン語のことわざ紹介です。
今まで紹介したスペイン語の慣用句はこちら。
随時更新しています。
今回のことわざは、
“En boca cerrada no entran moscas“
です。
そのままの意味だと、「口を閉じていればハエが入ることはない(?)」です。
口に関する、よく使うことわざは、日本語にもありますよね!
少し長いので丁寧に解説しようと思います。
Enは英語の「in」と同じで、「~の中に」という単語です。口の中に、ということです。
Bocaは、「くち」です。
Cerradaは、動詞Cerrar「閉じる」の過去分詞で「閉じた」「閉じられた」という意味。
En boca cerrada で、「閉じた口には」というひとかたまりになります。
Noは、否定形です。スペイン語では、「いいえ」も「no」ですが、英語の文章中に「not」とか「don’t」とか「doesn’t」とかになる場合も「no」を使えばオーケーです。
Entranは、動詞Entrar「入る」が変化した形で、訳す場合は単純に「入る」で良いですが、前に「no」が付いているので、「入らない」という意味になります。
Moscasは、ハエなどの虫をさします。
では、En boca cerrada no entran moscasの意味は…
そう、「口は災いの元」です。
言わなくても良いことは言わない方がよい、ということわざですね。
この表現の由来は定かではないようですが、14世紀には既にスペインで使われていた記録があるそうです。
コロンブスによるアメリカ大陸発見は15世紀の1492年ですから、中南米の国々でスペイン語が使われるようになるはるか以前ということになりますね。
実は他にも、Por la boca muere el pezという同じ意味のことわざもあります。
これは、「魚は口が理由で死ぬ」という少し可哀想な表現ですが、
えさを求めて口を開いて噛みつくと、釣り人に釣られてしまう、ということからです。
例文:
No digas mentiras. En boca cerrada no entran moscas.
→嘘をついてはいけないよ。口は災いの元だから。

参考ページ(英語/スペイン語)
https://www.significados.com/en-boca-cerrada-no-entran-moscas/
http://www.quesignifica.org/en-boca-cerrada-no-entran-moscas/
Comments